ヨガやアロマで馴染みのある乳香(ボスウェリア)の樹脂抽出物は、炎症バランスを整えたい人のサプリメントとして注目されています。
ボスウェリン酸が5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)を阻害し、炎症性エイコサノイドの産生を抑えることで痛みや腫れを穏やかにします。
膝や腰の違和感対策に、食後に規格化エキスを継続して摂り、運動療法や体重管理と併用しましょう。
- 主な働き:炎症性エイコサノイドの産生抑制と痛みサポート
- 摂るタイミング:食後に150〜250mg(ボスウェリン酸30〜40%)を1日2回
- 相性:オメガ3・クルクミン・コラーゲンペプチドと関節ケアを補完
- 注意:抗凝固薬・抗炎症薬と併用する際は医療職へ相談
- 食品例:樹脂そのものを食用にする文化もあるが、現代ではサプリが主体
ボスウェリアとは
ボスウェリア・セラータに代表される樹脂から抽出される植物エキスで、古来アーユルヴェーダで関節痛や炎症ケアに利用されてきました。
ボスウェリン酸を一定量含む規格抽出物がサプリとして用いられています。
からだでの働きと科学的知見
変形性膝関節症を対象とした多施設二重盲検試験で、ボスウェリア抽出物が痛みスコアと機能を改善し、安全性も良好だったと報告されています。PubMed 関節サプリメント全体を比較したメタ解析でも、ボスウェリアが痛み軽減と機能改善に寄与するエビデンスが蓄積しているとまとめられています。PubMedボスウェリア・セラータの関節炎治療における分子メカニズムを評価したレビューでは、COX-2・5-LOX・NF-κB経路の調節を通じた抗炎症作用が報告されています。PubMed リウマチ性関節炎における植物療法の相乗効果を評価したレビューでは、ボスウェリアを含むハーブの多面的な抗炎症・免疫調整作用が示されています。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 膝OAの痛み | 中 | 無作為化試験で症状改善 |
| 関節機能 | 低〜中 | メタ解析でポジティブな傾向 |
| 安全性 | 低 | 軽度の胃腸症状が報告される程度 |
摂り方とタイミング
1回150〜250mg、ボスウェリン酸30〜40%規格の抽出物を1日2〜3回飲む臨床試験が一般的です。
胃腸が弱い場合は食後に摂り、十分な水で飲むと続けやすくなります。
痛みの変化は4〜8週間で評価されることが多いため、短期間で判断せず継続して観察してください。
栄養素どうしの関係と注意点
EPA/DHAなどのオメガ3脂肪酸と併用すると、炎症性エイコサノイドのバランスを多角的に整えられます。フィッシュオイルの記事参照。
クルクミンやコラーゲンペプチドと組み合わせると、関節の構造と炎症を同時にケアできます。クルクミンの記事、コラーゲンペプチドの記事を参照。
抗凝固薬やNSAIDsを使用している場合、血液凝固や胃腸への影響が出る可能性があるため医療職に相談してください。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| ボスウェリア×オメガ3 | ◎ | 炎症性エイコサノイドを多面的に抑制PubMed |
| ボスウェリア×クルクミン | ○ | 関節の痛み・腫れを補完的にケア |
| ボスウェリア×抗凝固薬 | △ | 出血・胃腸障害に注意し医療職と相談 |
食品から摂るには
従来は樹脂を噛んだりお茶にしたりしますが、成分量が一定しないため現代では規格化サプリが主流です。
粉末や錠剤を選ぶ際は原産地・ボスウェリン酸含有量・第三者検査を確認しましょう。
開封後は湿気を避け、変色・異臭がした場合は使用を中止してください。
