疲労感やしびれ、集中力の低下が気になるときに意識したい水溶性ビタミンです。
ビタミンB12はDNA合成と赤血球形成、神経のミエリン維持に関与し、葉酸やビタミンB6と連携してホモシステインを調整します。
動物性食品からの摂取が基本ですが、吸収が難しい人は医療職と相談しながら適切な補充方法を選びましょう。
- 主な働き:造血と神経保護、ホモシステイン調整
- 摂るタイミング:食事と一緒に朝・昼へ分けて
- 相性:葉酸・ビタミンB6とメチル化循環、鉄と造血サポート
- 注意:吸収障害や薬剤(メトホルミン)で不足しやすい
- 食品例:貝類、レバー、卵、乳製品、強化植物性飲料
ビタミンB12とは
ビタミンB12(コバラミン)は動物性食品に多く含まれ、内因子と結合して小腸末端から吸収されます。NIH
日本の推奨量は成人男女ともに2.4µgで、耐容上限は設定されていませんが、吸収障害を抱える人は医療的な補充が必要です。厚生労働省
ベジタリアンや高齢者、胃腸の手術歴がある人は不足リスクが高いため、強化食品やサプリで補う工夫を行います。
からだでの働きと科学的知見
ビタミンB12欠乏は貧血だけでなく神経障害を引き起こすことが報告されており、早期発見と補充が重要です。PubMed
経口サプリでも高用量(1,000µgなど)で吸収が可能とするレビューがあり、注射に加えて経口補充も選択肢となります。PubMed
メトホルミンの長期投与はビタミンB12欠乏を引き起こすことがあり、定期的な血液検査が推奨されています。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 欠乏と神経障害 | 中 | 早期補充が重要 |
| 経口補充の有効性 | 中 | 高用量経口でも吸収可能 |
| メトホルミンと欠乏リスク | 中 | 長期使用者で低下が報告 |
摂り方とタイミング
朝食に卵やヨーグルト、昼食に魚介や発酵食品、夜にレバーや貝類を取り入れると推奨量に届きやすくなります。
ベジタリアンの場合は強化豆乳や栄養酵母、ビタミンB12サプリを利用し、1日あたり25〜100µg程度を分割摂取する方法が一般的です。NIH
吸収障害がある場合は医療職の指示で経口高用量または注射を選択し、定期的に血中B12・ホモシステイン・メチルマロン酸を検査しましょう。
栄養素どうしの関係と注意点
ビタミンB12は葉酸やビタミンB6とともにホモシステインを調整し、造血と神経保護に関わります。葉酸の記事やビタミンB6の記事も参照してください。
鉄やビタミンCと併用すると造血サイクルが整いますが、ヘム鉄サプリと同時に摂る場合は胃腸への負担を考え量を調整しましょう。
メトホルミン、プロトンポンプ阻害薬、メトクロプラミドなどはB12の吸収を下げるため、服用中は検査を継続します。PubMed
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| ビタミンB12×葉酸・B6 | ◎ | ホモシステインと造血を支えるPubMed |
| ビタミンB12×強化食品 | ○ | ベジタリアンの不足対策NIH |
| ビタミンB12不足×メトホルミン | △ | 長期投与で欠乏リスク増PubMed |
食品から摂るには
貝類(あさり、しじみ)、レバー、牛肉、魚介、卵、乳製品が主な供給源です。NIH
朝にヨーグルトやチーズ、昼に鮭や鯖、夜にレバーや貝汁を取り入れると一日のバランスが整います。
植物性食品中心の人は、栄養酵母や強化シリアル、補助食品を活用しましょう。
