たんぱく質中心の食事やストレスが多い生活で不足しやすい水溶性ビタミンです。
ビタミンB6はアミノ酸代謝や神経伝達物質の生成、ホモシステイン調整を通して体と心のバランスを支えます。
サプリメントは上限値を守り、長期高用量で末梢神経がしびれないよう慎重に活用しましょう。
- 主な働き:アミノ酸代謝と神経伝達物質の合成
- 摂るタイミング:朝・昼の食事に分けて
- 相性:葉酸・ビタミンB12とホモシステイン経路、マグネシウムとリラックスケア
- 注意:高用量の長期利用は末梢神経障害のリスク
- 食品例:かつお、鶏むね肉、バナナ、ひよこ豆、じゃがいも
ビタミンB6とは
ビタミンB6はピリドキシン・ピリドキサール・ピリドキサミンなどの総称で、補酵素ピリドキサールリン酸として多くの代謝反応に関与します。NIH
日本の推奨量は成人男性1.4mg、女性1.2mg、耐容上限は60mgで、年齢や生理周期、妊娠・授乳で必要量が変動します。厚生労働省
水溶性ですが、体たんぱく質に結合して貯蔵されるため、毎日の食事で少しずつ補うことが大切です。
からだでの働きと科学的知見
妊娠期の吐き気に対してビタミンB6が検討され、ジンジャーとの比較でも一定の改善が報告されています。PubMed
葉酸やビタミンB12とともにホモシステインを調整し、妊娠合併症や代謝の安定に寄与する可能性が示されています。PubMed
しかし高用量の長期摂取は末梢神経障害を招く恐れがあり、安全域(1日100mg未満)に留めることが推奨されています。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 妊娠期の吐き気対策 | 中 | B6が症状緩和に寄与 |
| ホモシステイン調整 | 中 | B6・葉酸・B12の連携 |
| 高用量リスク | 中 | 長期で末梢神経障害報告 |
摂り方とタイミング
朝食にバナナや全粒シリアル、昼に鶏むね肉や魚、夜に豆類やじゃがいもを取り入れると1日の推奨量に届きやすくなります。
サプリメントは朝・昼に分けて1回50mgを超えないよう設定し、連続使用は3カ月を目安に医療職へ相談すると安心です。
加熱による損失は比較的少ないものの、煮汁を活用すると摂取効率が高まります。
栄養素どうしの関係と注意点
ビタミンB6は葉酸やビタミンB12と協調し、ホモシステイン代謝と造血を支えます。葉酸補給時は葉酸の記事も参考にしてください。
マグネシウムとともに神経の興奮を抑える働きがあり、夜のリラックスケアで併用する人もいます。NIH
高用量ではビタミンB2の吸収と競合する報告があるため、マルチビタミンでバランスを意識すると安全です。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| ビタミンB6×葉酸・B12 | ◎ | ホモシステインを調整PubMed |
| ビタミンB6×マグネシウム | ○ | 神経のリラックスに寄与NIH |
| ビタミンB6高用量×長期摂取 | △ | 末梢神経障害リスクPubMed |
食品から摂るには
かつお、まぐろ、鶏むね肉、豚ヒレ、ひよこ豆、バナナ、じゃがいも、ピスタチオなどに多く含まれます。NIH
スープや煮込み料理にすると水溶性ビタミンを汁ごと摂れ、全粒パンや玄米を合わせるとエネルギー代謝が整います。
忙しい日はバナナやミックスナッツを間食に取り入れると手軽です。
