妊娠を希望する人や血管の健康が気になる人に欠かせない水溶性ビタミンです。
葉酸はDNA合成や赤血球の形成に関わり、ホモシステイン代謝を通じて血管の健やかさを支えます。
サプリメントは推奨量に沿って使用し、ビタミンB12不足を隠さないよう定期的な検査を組み合わせましょう。
- 主な働き:DNA合成とホモシステイン調整
- 摂るタイミング:食事と一緒に朝・昼へ分けて
- 相性:ビタミンB12・B6とメチル化サイクルを補完
- 注意:高用量はビタミンB12欠乏症状を覆い隠す可能性
- 食品例:枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、レバー、いちご
葉酸とは
葉酸は水溶性ビタミンB群の一種で、1炭素代謝に関与し細胞分裂や DNA 合成を助けます。NIH
日本の推奨量は成人男女ともに240µgDFE、妊娠を計画する女性では通常食に加えてモノグルタミン酸型葉酸400µg/日の補助が推奨されています。厚生労働省
緑黄色野菜や豆類に豊富ですが、熱で壊れやすいため調理法に工夫が必要です。
からだでの働きと科学的知見
穀類への葉酸強化後も神経管閉鎖障害の予防に葉酸が重要であることが報告され、妊娠前からの継続的な補給が強調されています。PubMed
葉酸・ビタミンB12・ビタミンB6はホモシステインをメチオニンへ再利用する経路で協力し、代謝症候群などのリスク管理に役立つ可能性が示されています。PubMed
一方で葉酸の過剰摂取はビタミンB12欠乏による神経症状を覆い隠す恐れがあり、適正量を守ったうえで血液検査を行うことが推奨されています。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 神経管閉鎖障害予防 | 中 | 妊娠前からの補給が重要 |
| ホモシステイン調整 | 中 | B12・B6とともに代謝をサポート |
| 過剰摂取の注意 | 中 | B12欠乏を隠す可能性 |
摂り方とタイミング
葉酸は朝食のスムージーや昼のサラダで生野菜を取り入れ、夜は蒸し野菜や味噌汁に短時間加熱で組み込むと損失を抑えられます。
サプリメントは食事と分けて朝・昼に200µgずつ摂ると吸収が安定しやすく、妊娠準備期には400µgのモノグルタミン酸型を追加します。NIH
アルコールや喫煙は葉酸の利用効率を下げるため、生活習慣の見直しも併せて行いましょう。
栄養素どうしの関係と注意点
葉酸はビタミンB12・B6と協調し、メチル化サイクルと赤血球生成を支えます。NIH
高用量の葉酸サプリはビタミンB12欠乏を覆い隠す可能性があるため、B12状態を定期的に確認し、不足があればビタミンB12の記事を参考に補いましょう。PubMed
メトトレキサートなど葉酸代謝に影響を与える薬剤を使用している場合は、主治医と相談して補給量を決定してください。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| 葉酸×ビタミンB12 | ◎ | ホモシステインを調整し造血を支えるPubMed |
| 葉酸×ビタミンB6 | ○ | メチル化サイクルの補完PubMed |
| 葉酸高用量×ビタミンB12不足 | △ | 神経症状を見逃す恐れPubMed |
食品から摂るには
枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、芽キャベツ、アボカド、レバー、いちごなどに多く含まれます。NIH
加熱時間は短く、蒸し調理や電子レンジ加熱で葉酸の損失を抑えましょう。
お弁当に枝豆やブロッコリーを常備し、朝は緑葉野菜入りスムージー、夜はレバーや大豆製品を組み合わせると目標量に近づきます。
