脂肪酸・脂質

クリルオイル|リン脂質で届ける海のオメガ3

魚油の後味が苦手な人に向け、クリルオイルがEPA・DHAをリン脂質型で届ける特徴と摂り方、注意点を一次情報で整理します。

赤と青の箱にボトルが入っています
Photo by Unsplash
摂取基準値
RDA(推奨量)mg
AI(目安量)mg
UL(耐容上限量)mg

魚油サプリの魚臭さが苦手な人でも続けやすい、リン脂質型オメガ3がクリルオイルです。
南極オキアミ由来で、EPA・DHAをリン脂質とともに届け、アスタキサンチンによる抗酸化保護が期待できます。
食後に摂り、甲殻類アレルギーや抗凝固薬との併用に注意しながら使いましょう。

  • 主な働き:血中脂質と炎症バランスのサポート
  • 摂るタイミング:朝夕の食後に500mg前後を分割
  • 相性:ビタミンEやコリンと細胞膜ケアを補完
  • 注意:甲殻類アレルギー・抗凝固薬使用者は医療職に相談
  • 食品例:魚料理(サプリ使用時も食品を優先)

クリルオイルとは

南極海で採れるオキアミを原料にした油で、EPA・DHAをリン脂質形態で含む点が魚油との大きな違いです。
リン脂質型は細胞膜に取り込まれやすいとされ、少ない量でも血中EPA・DHAの増加につながる可能性があります。PubMed
赤い色はアスタキサンチンによるもので、天然の抗酸化保護が期待されます。

からだでの働きと科学的知見

重度高トリグリセリド血症を対象にしたランダム化試験で、クリルオイル製剤が血中脂質の指標に好影響を示す可能性が示されました。PubMed
犬での研究ながら、クリルオイルとカンナビジオールの併用が関節症状の軽減に関連した報告もあり、炎症ケアの応用が検討されています。PubMed
オメガ3全般のレビュ-では、魚油と同様に心血管リスク低減に寄与する可能性がまとめられています。PubMedただし出血リスクは魚油と同様に観察が必要です。PubMed

研究テーマ エビデンス強度 補足
高トリグリセリド血症 クリルオイル製剤で脂質指標の良好化を示唆
炎症サポート 動物モデルで関節症状の軽減報告
心血管リスク 低〜中 オメガ3としての貢献が示唆

摂り方とタイミング

胃腸の不快感を減らすため、食後に1回500mg程度を朝夕で分けて摂取します。
魚由来オメガ3が不足している場合は1日1,000mg(EPA+DHA換算)を目安に、食品から摂れる日はサプリを減らすなど調整してください。フィッシュオイルの記事も参考になります。
冷暗所で保管し、カプセルが変色・破損した場合は使用を避けましょう。

栄養素どうしの関係と注意点

ビタミンEを併用すると脂質の酸化を抑えやすく、細胞膜保護を補完できます。PubMed
コリンやレシチンと一緒に摂るとリン脂質代謝が整い、肝臓での脂質輸送がスムーズになります。コリンの記事を参照してください。
抗凝固薬・抗血小板薬を使用している場合は、魚油同様にINRをモニターしつつ医療職の指導のもとで利用しましょう。PubMed

組み合わせ 推奨度 コメント
クリルオイル×ビタミンE 脂質の酸化を抑え安全性向上PubMed
クリルオイル×コリン 細胞膜と肝脂質代謝を補完NIH
クリルオイル高用量×抗凝固薬 出血傾向に注意PubMed

食品から摂るには

クリルオイル自体は食品として摂取しにくいため、基本はサプリメントになります。
食卓では脂の多い魚(サーモン、サバ、イワシ)を週に2回以上取り入れ、全体のオメガ3バランスを整えましょう。
サプリを常用する場合も、魚料理や海藻を合わせて食べるとミネラルやたんぱく質が補えます。

よくある質問

Q. 魚油と比べてどのくらい摂れば良いですか?

EPA+DHA量で同等になるよう換算します。例:500mg/カプセルなら1日2カプセルで1,000mgが目安です。

Q. 甲殻類アレルギーでも摂れますか?

オキアミ由来のため、甲殻類アレルギーがある方は使用を避けるか医療職に相談してください。NIH

Q. 妊娠中でも使えますか?

品質が確認された製品であれば使用するケースもありますが、産科医に相談して量を決めてください。

Q. 魚臭さはありますか?

リン脂質型で消化が早いため魚臭さは少なめとされていますが、気になる場合は冷蔵保管や食後の摂取で抑えられます。

Q. 他のオメガ3サプリとの併用は?

EPA・DHAの総量を把握したうえで、魚油やALAの記事を参考に全体のバランスを取ってください。

Q. アスタキサンチンを別途摂る必要はありますか?

クリルオイル自体に含まれていますが、抗酸化ケアを強化したい場合は野菜やビタミンCなど食事からの補助も取り入れましょう。

本ページは公開資料や専門書を参考に要約した成分ガイドです。サプリメントを使用する際は医師・薬剤師など専門家の助言もあわせてご確認ください。