画面作業が多く集中力が落ちやすい人、脂質バランスが気になる人に欠かせない栄養素です。
コリンは細胞膜の材料、神経伝達物質アセチルコリンの前駆体として働き、肝臓での脂質輸送にも関与します。
卵や大豆などの食品から補い、サプリを利用する場合は腸内環境やTMAO産生への影響にも気を配りましょう。
- 主な働き:細胞膜・神経伝達・肝脂質代謝のサポート
- 摂るタイミング:朝昼の食事を中心に分散
- 相性:葉酸・ビタミンB12・EPA/DHAと脳血管ケアを補完
- 注意:過剰摂取はTMAO上昇と体臭変化の恐れ
- 食品例:卵、鶏むね肉、サーモン、大豆、ブロッコリー
コリンとは
コリンはリン脂質ホスファチジルコリンの構成要素で、細胞膜の安定性と神経伝達を支えます。NIH
AI(目安量)は成人男性550mg、女性425mgで、妊娠・授乳期はより多く必要とされます。NIH
体内で一部合成されるものの十分ではなく、食事からの摂取が欠かせません。
からだでの働きと科学的知見
妊娠期のコリン補給は胎児の脳発達に寄与する可能性が示され、摂取量確保が推奨されています。PubMed
肝脂質代謝では、コリン不足が非アルコール性脂肪性肝疾患のリスク要因として注目されており、食事由来のコリンが肝臓の脂質輸送を助けます。NIH
一方、コリンが腸内細菌によって代謝されるとトリメチルアミンN-オキシド(TMAO)が生成され、高濃度では心血管リスクと関連する可能性が報告されています。PubMed腸内環境を整え、魚由来オメガ3などバランスの良い食事を意識しましょう。
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 妊娠と脳発達 | 中 | コリン補給が神経発達を支援 |
| 肝脂質代謝 | 中 | 不足で脂肪肝リスクが高まる |
| TMAOと心血管 | 低〜中 | 過剰摂取でリスク上昇の可能性 |
摂り方とタイミング
朝食にゆで卵と全粒パン、昼食に鶏むね肉やサーモン、夜に大豆製品を取り入れると自然に AI に近づきます。
サプリメント(アルファGPC、シチコリンなど)を使う場合は1日250〜500mgから始め、胃腸の状態やTMAOに注意しながら調整してください。
同時に食物繊維やプロバイオティクスを摂ることで腸内発酵を整え、TMAO産生が過度にならないようサポートします。
栄養素どうしの関係と注意点
コリンは葉酸・ビタミンB12・ビタミンB6 と同じメチル化サイクルでホモシステインを調整します。葉酸の記事やビタミンB12の記事もあわせて参考にしてください。
EPA・DHAなどオメガ3と併用すると神経・脳血管のケアが相乗され、TMAOの影響を緩和する食事パターンが作りやすくなります。NIH
腎・肝機能に課題がある場合、高用量サプリで体臭が魚臭くなる、血圧が下がるといった副作用が出ることがあるため、医療職の管理下で使用してください。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| コリン×葉酸・B12 | ◎ | メチル化サイクルで協働PubMed |
| コリン×EPA/DHA | ○ | 神経と脂質代謝を補完NIH |
| コリン高用量×腸内環境乱れ | △ | TMAO増加の恐れがあるため食物繊維と併用PubMed |
食品から摂るには
卵1個で約120mg、鶏むね肉100gで約70mgのコリンが摂れます。NIH
大豆、ナッツ、ブロッコリー、芽キャベツなど植物性食品も組み合わせると脂質とコリンのバランスが整います。
忙しい日はゆで卵と大豆飲料を常備し、間食にナッツを少量追加して不足を補いましょう。
