魚を食べる機会が減り、血流や日々の疲れが気になる人が意識したい必須脂肪酸です。
EPA(エイコサペンタエン酸)は細胞膜に組み込まれて炎症性メディエーターの産生を穏やかにし、血液のめぐりをサポートします。
摂取は朝夕の食事で脂質と合わせ、抗凝固薬を使用している場合は医療職と相談しながら量を調整しましょう。
- 主な働き:血中脂質と炎症バランスのサポート
- 摂るタイミング:朝と夜の食事で脂質と一緒に
- 相性:DHAやビタミンEと循環ケアを補完
- 注意:高用量は出血傾向に配慮が必要
- 食品例:サバ、イワシ、サーモン、アマニ油
EPAとは
EPAは青魚に豊富な長鎖オメガ3脂肪酸で、体内で合成できないため食事やサプリメントから補う必要があります。NIH
国際的にはEPAとDHAの合計で1,000〜2,000mg/日を目安にする提案があり、魚食が少ない人は意識的な摂取が推奨されます。NIH
EPAは細胞膜に取り込まれ、炎症性エイコサノイドの材料を置き換えることで、体内のバランスを穏やかに整えます。
からだでの働きと科学的知見
高リスク患者を対象にした大規模試験では、高用量のオメガ3投与が主要心血管イベントを上回らなかった報告があり、EPAは万能薬ではなく生活習慣全体の見直しと併用することが重視されています。PubMed
一方で、EPAを含むオメガ3は血中トリグリセリド低下に寄与するとのメタ解析があり、脂質管理の一助として活用が検討されています。PubMed
出血リスクに関する系統的レビューでは、高用量オメガ3で出血イベントの増加は限定的と報告されていますが、抗凝固薬使用時はINRなどを確認しながら使用することが推奨されます。PubMed循環ケアをさらに学びたい場合はカリウムの記事やDHAの記事を参照してください。
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 心血管イベント | 中 | 高用量オメガ3でも有意差なしの報告 |
| トリグリセリド | 中 | オメガ3が血中脂質を穏やかに調整 |
| 出血リスク | 低〜中 | 抗凝固薬併用時はモニタリング推奨 |
摂り方とタイミング
EPAは脂溶性のため、朝食の卵やヨーグルト、夕食の魚料理と合わせると吸収が高まります。
サプリメントは1回あたり500〜1,000mg程度を2回に分けて摂り、DHAとの合計量を把握しましょう。
魚油サプリは酸化しやすいので、開封後は冷暗所で保存し、変色や魚臭が強くなったものは使用を避けてください。
栄養素どうしの関係と注意点
EPAとDHAは互いに補完し、細胞膜流動性や神経保護を支えます。DHAの記事も参考に両者のバランスを取ってください。
脂質の酸化を防ぐためにビタミンEを併用すると安定化が期待されますが、ビタミンEの過剰にも注意が必要です。NIH
ワルファリンなど抗凝固薬、抗血小板薬を使用中は、医療職と相談しながらINRや出血傾向を確認しましょう。PubMed
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| EPA×DHA | ◎ | 相補的に細胞膜と循環をサポートNIH |
| EPA×ビタミンE | ○ | 脂質の酸化を抑えるサポートNIH |
| EPA高用量×抗凝固薬 | △ | 出血傾向に留意し医療職と連携PubMed |
食品から摂るには
サバ、イワシ、サーモン、ニシンなど脂の多い魚にEPAが豊富です。NIH
週2回以上の魚料理が難しい場合は缶詰や刺身を活用すると、忙しい日でもEPAを取り入れやすくなります。
植物性ではアマニ油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸がEPAの前駆体となりますが、変換率は低いため魚油と組み合わせると確実です。
