酵素

ブロメライン(パイナップル酵素)|パイナップル由来の消化と炎症サポート酵素

パイナップルから抽出される酵素ブロメラインの消化促進・炎症ケアのエビデンスと、安全な摂取のポイントをまとめます。

※ 主な作用: タンパク質消化サポート・抗炎症作用・関節健康サポート・消化酵素

白い表面にパイナップル
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摂取基準値
RDA(推奨量)mg
AI(目安量)mg
UL(耐容上限量)mg

ブロメラインはパイナップルの茎や果肉に含まれるタンパク質分解酵素で、食後の消化サポートや炎症ケアを目的に利用されます。
消化酵素としてタンパク質を分解するだけでなく、吸収されたブロメラインは炎症性メディエーターを調整する可能性が報告されています。
ただし抗凝固薬や抗血小板薬との相互作用が知られているため、服薬中の方は医療職へ相談してください。

  • 主な働き:タンパク質分解による消化補助、炎症バランス調整
  • 摂るタイミング:食事と一緒に200〜400mg(消化目的)/空腹時500mg(炎症ケア)
  • 相性:コラーゲンペプチド・クルクミン・オメガ3で関節ケアを補完
  • 注意:抗凝固薬やアレルギー(パイナップル、ラテックス)に配慮
  • 食品例:生のパイナップル、冷凍果肉、エキスカプセル

ブロメラインとは

複数のプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)から構成され、パイナップルの葉や茎から抽出されます。
消化酵素として胃や小腸で働くほか、吸収後は抗炎症作用を発揮すると考えられています。

からだでの働きと科学的知見

中等度〜重度の膝変形性関節症患者を対象にしたランダム化プラセボ対照試験では、ブロメライン補給が痛みと機能スコアを改善しました。PubMed
総説でも消化サポートや炎症調整への有用性が紹介されています。PubMed
一方でワルファリンとの相互作用が報告されており、抗凝固薬使用者は必ず医療職の指導を受けてください。PubMed

研究テーマ エビデンス強度 補足
関節痛・機能改善 低〜中 膝OAで痛みと機能スコアが改善
消化・炎症ケア 総説で一般的な有用性が紹介
薬物相互作用 ワルファリンで抗凝固作用が変動

摂り方とタイミング

消化目的では食事と一緒に200〜400mg(1,200〜2,400 GDU程度)を摂取します。
炎症ケアとして利用する場合は空腹時に500mg程度を1日2回などのプロトコルが使われますが、胃が敏感な人は食後に切り替えてください。
生パイナップルを食べる場合は熱に弱いため加熱せず生のまま食べましょう。

栄養素どうしの関係と注意点

コラーゲンペプチドと併用するとタンパク質分解と吸収がスムーズになり、関節ケアが整います。コラーゲンペプチドの記事参照。
クルクミンやオメガ3脂肪酸と組み合わせると炎症バランスへのアプローチが多角的になります。クルクミンの記事フィッシュオイルの記事参照。
抗凝固薬、抗血小板薬、抗生物質などとの相互作用が報告されているため、服薬中は医療職に相談のうえ時間をずらすか使用を控えてください。PubMed

組み合わせ 推奨度 コメント
ブロメライン×コラーゲン タンパク質分解で吸収をサポートPubMed
ブロメライン×クルクミン 炎症バランス調整を補完
ブロメライン×抗凝固薬 出血リスクに注意し医療職と相談PubMed

食品から摂るには

生のパイナップルをサラダやスムージーに加えると、約80gで食事用量のブロメラインが摂れます。
缶詰や加熱したパイナップルでは酵素活性が低下するため、サプリや生の果肉で補うのがおすすめです。
サプリはGDU(ゼラチン分解単位)やMCU(乳凝固単位)で酵素活性が表示されている製品を選びましょう。

よくある質問

Q. どのくらいで関節の変化が出ますか?

臨床試験では4〜6週間で痛みと機能が改善しました。症状が続く場合は医療職に相談してください。PubMed

Q. アレルギーはありますか?

パイナップルやラテックスにアレルギーがある人は反応する可能性があります。初めて摂る場合は少量から試してください。

Q. 胃が荒れることはありますか?

空腹時に高用量を摂ると胃腸刺激が起きることがあります。食後に切り替え、量を調整してください。

Q. 妊娠・授乳中でも使えますか?

食品量なら問題ないとされますが、サプリでの高用量は安全性が確立していないため医療職に相談してください。

Q. 他の酵素サプリと併用できますか?

パパインやプロテアーゼと併用する場合は、胃腸への負担を見ながら量を調整してください。

Q. 出血が気になります。

出血傾向がある方、手術前後の方、抗凝固薬を服用している方は使用を避け、医療職の指示を仰いでください。

本ページは公開資料や専門書を参考に要約した成分ガイドです。サプリメントを使用する際は医師・薬剤師など専門家の助言もあわせてご確認ください。