筋トレやスポーツで高強度の動きを求める人に欠かせないアミノ酸誘導体です。
クレアチン一水和物は筋細胞内のクレアチンリン酸を増やし、瞬間的なATP再合成を助けてパフォーマンスと回復を支えます。
運動習慣とセットで3〜5g/日を継続し、水分補給と腎機能チェックを忘れずに使いましょう。
- 主な働き:ATP再合成と筋力・パワーのサポート
- 摂るタイミング:運動前後または食後に3〜5g
- 相性:ホエイプロテイン・炭水化物と筋合成を補完
- 注意:腎機能に課題がある場合は医療職と相談
- 食品例:牛赤身、豚肉、魚(天然)
クレアチン一水和物とは
クレアチンはグリシン・アルギニン・メチオニンから合成される化合物で、骨格筋に多く蓄えられています。
体内合成だけでは十分な貯蔵量に達しにくいため、肉や魚、サプリメントから補うことで筋クレアチンを最大化できます。
一水和物はコストとエビデンスが豊富で、ほとんどの研究で採用される標準形態です。NIH
からだでの働きと科学的知見
メタ解析では、クレアチンサプリメントが上半身の筋力・パワーを有意に向上させると報告されています。PubMed 腎機能が正常な成人では推奨量のクレアチン補給による有害事象は少なく、安全性は高いとされています。PubMed 健康な成人を対象にしたシステマティックレビューでは、クレアチン補給が記憶力や認知課題の指標に良好な変化を示す可能性が報告されています。PubMed 一方で脱水やカフェイン大量摂取が重なると胃腸不快感が増えるケースがあるため、水分とカフェイン量の管理が重要です。
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 筋力・パワー | 高 | 上半身パフォーマンスに有意な向上 |
| 安全性 | 中 | 健常成人で腎機能への影響は限定的 |
| リカバリー | 低〜中 | 筋損傷マーカーの低減が示唆 |
摂り方とタイミング
一般的には毎日3〜5gを食後または運動後に摂取します。ローディング法(20g/日を5〜7日)は早期に筋クレアチンを満たせますが、胃腸不快感がある場合は低用量の継続で十分です。
炭水化物やホエイプロテインと一緒に摂るとインスリン分泌が促され、筋細胞への取り込みが高まります。
クレアチンは水にやや溶けにくいので、温かい飲み物で溶かす、シェーカーでよく振る、ヨーグルトに混ぜるなど工夫しましょう。
栄養素どうしの関係と注意点
クレアチンはトレーニングによる筋合成を強化し、ホエイプロテインやロイシンと組み合わせると筋肉量維持に役立ちます。
EPA・DHAなど抗炎症性脂肪酸やカリウム・マグネシウムを含む食品と併用すると、筋収縮とリカバリーがスムーズになります。マグネシウムの記事を参照してください。
腎疾患や高血圧で医療管理を受けている人は、血液検査(eGFR・クレアチニン)を定期的に確認し、医療職の指導下で使用してください。NIH
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| クレアチン×ホエイ | ◎ | 筋合成シグナルを強化PubMed |
| クレアチン×炭水化物 | ○ | インスリンによる取り込み向上 |
| クレアチン×脱水・腎機能低下 | △ | 腎負担を避けるため水分と検査で管理PubMed |
食品から摂るには
牛肉や豚肉、魚にクレアチンが含まれますが、調理で一部が分解されるためサプリメントの方が効率的に補給できます。
運動しない日もクレアチンを継続すると筋内濃度が維持され、次回トレーニングでの利用効率が高まります。
体重増加(1〜2kg)は筋内の水分量が増えるためであり、異常でなければ心配いりません。
