体力低下やスタチン治療で筋がこわばる人が意識したい脂溶性補酵素です。
コエンザイムQ10(CoQ10)はミトコンドリアでATP産生を助け、脂質膜の抗酸化保護にも寄与します。
吸収を高めるには脂質と一緒に摂り、抗凝固薬との相互作用に注意しながら利用しましょう。
- 主な働き:ATP産生と抗酸化サポート
- 摂るタイミング:夕食時に油脂を含むメニューと合わせて
- 相性:ビタミンEやビタミンCと抗酸化ネットワークを補完
- 注意:ワルファリンとの併用や高用量では医療職へ相談
- 食品例:サーモン、さば、内臓肉、ナッツ、オリーブオイル
コエンザイムQ10とは
CoQ10は脂溶性キノン化合物で、電子伝達系の補酵素としてATP生成に関わり、細胞膜で抗酸化機能も担います。NIH
体内で合成されますが、加齢やスタチンの使用で濃度が低下し、食品やサプリメントでの補給が検討されます。
脂質に溶けやすいため、油脂を含む食事と一緒に摂ると吸収が高まります。
からだでの働きと科学的知見
心不全患者でCoQ10補給がポンプ機能や症状に良好な変化を示した報告があり、電力不足の心筋を支える補助療法として研究が続いています。PubMed
スタチン誘発性筋症状の緩和にCoQ10が有用とする系統的レビューもあり、スタチン療法中の筋ケア対策として医療職と検討されることがあります。PubMed
一方、ワルファリンとの相互作用で抗凝固作用に影響した症例があり、服薬中はINRをモニターしながら医療職と調整してください。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 心不全サポート | 中 | 補助療法として機能の向上を報告 |
| スタチン筋症状 | 低〜中 | 筋違和感の軽減を検討 |
| 抗凝固薬との相互作用 | 低 | ワルファリン作用への影響報告 |
摂り方とタイミング
夕食時にオリーブオイルやナッツを使った料理、魚介や肉料理と一緒に摂ると吸収が高まります。
サプリメントはユビキノン型・ユビキノール型があり、1日100〜200mgを2回に分けて摂る使い方が一般的です。NIH
スタチン服用者や高齢者は3カ月ごとに体調や血液検査を確認し、必要に応じて量を調整してください。
栄養素どうしの関係と注意点
CoQ10はビタミンEやビタミンCと抗酸化ネットワークを形成し、酸化したビタミンEを再生する働きがあります。ビタミンEの記事やビタミンCの記事を参考に全体設計を整えましょう。
ワルファリンなど抗凝固薬を使用している場合、自己判断でのCoQ10追加は避け、主治医と調整しましょう。PubMed
脂溶性のため、脂質制限中の人は摂取タイミングと食事内容を工夫すると吸収が保たれます。マグネシウムの記事も併読し、エネルギー代謝を総合的にサポートしてください。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| CoQ10×ビタミンE | ◎ | 酸化ストレス対策を補完NIH |
| CoQ10×スタチン療法 | ○ | 筋症状の緩和を検討PubMed |
| CoQ10×ワルファリン | △ | INR低下の報告があり管理が必要PubMed |
食品から摂るには
サーモンやまぐろなどの脂の多い魚、牛や豚の内臓、ピーナッツ、ピスタチオ、オリーブオイルに多く含まれます。NIH
週2〜3回の魚料理と、ナッツを使った副菜を組み合わせると自然に摂取量が増えます。
油脂と一緒に調理すると吸収が高まるため、グリルした魚にオイルベースのソースを合わせるなど工夫するとよいでしょう。
