高強度インターバルや短距離競技で「あと一息」の粘りを支えるアミノ酸がβ-アラニンです。
筋内でカルノシンに合成され、乳酸由来の水素イオンをバッファーして筋疲労を遅らせます。
数週間の継続摂取がポイントで、ピリピリ感(パレストジア)を抑えるには分割投与や徐放型を活用しましょう。
- 主な働き:筋内カルノシン増加による酸性バッファー作用
- 摂るタイミング:1回1.6〜2gを1日2〜3回、4〜8週間継続
- 相性:クレアチンや炭酸水素ナトリウムと高強度パフォーマンスを補完
- 注意:ピリピリ感(パレストジア)が出たら用量を減らす
- 食品例:鶏むね肉、牛肉、魚(カルノシンとして摂取)
β-アラニンとは
β-アラニンはヒスチジンと結合してカルノシンとなり、筋細胞内のpHバッファーとして働きます。
通常の食事でもカルノシンとして摂取しますが、サプリでβ-アラニンを補うと筋カルノシン濃度が効率的に上がります。PubMed
からだでの働きと科学的知見
メタ解析では、4〜12週間の補給が高強度運動のタイムや作業量を有意に改善すると報告されています。PubMed
間欠的な激しい運動や女性アスリートを含むレビューでも、持久系と高強度の双方でパフォーマンス向上が示唆されています。PubMed
パレストジアは用量依存で起きやすいため、徐放型カプセルで出現率が低下したという報告もあります。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 高強度運動パフォーマンス | 高 | タイム・作業量を改善 |
| 持久力サポート | 中 | 間欠的運動で有効性を示唆 |
| パレストジア対策 | 低〜中 | 徐放型で症状を軽減 |
摂り方とタイミング
1日合計4〜6gを、1回あたり1.6〜2gに分割して摂取します。
ローディング期間は4〜8週間が目安で、その後は1日1.6〜3.2gのメンテナンス量で筋カルノシン濃度を維持できます。
クレアチンと同時に摂る場合は、朝とトレーニング前に分けて飲むと胃腸の負担が減ります。クレアチンの記事を参照してください。
栄養素どうしの関係と注意点
炭酸水素ナトリウムと併用すると、血中・筋内バッファーの両面から高強度運動を支えられると報告されています。PubMed
クレアチンと組み合わせると筋力とパワーの向上が相乗する可能性があります。
パレストジアは無害ですが不快な場合があるため、摂取量を1回1.6g以下に分ける、徐放型を使うなどで対処しましょう。PubMed
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| β-アラニン×炭酸水素ナトリウム | ◎ | 酸性バッファーを多層的に強化PubMed |
| β-アラニン×クレアチン | ○ | 高強度+パワーを補完PubMed |
| β-アラニン高用量×パレストジア | △ | 徐放型や分割で軽減PubMed |
食品から摂るには
鶏むね肉や牛肉に含まれるカルノシンを介してβ-アラニンを補えますが、筋カルノシンを大幅に高めるにはサプリが現実的です。
料理ではタンパク質と炭水化物をバランスよく取り、トレーニング前後の栄養タイミングを整えましょう。
サプリは冷暗所で保管し、湿気を避けると品質が保てます。
