地中海の食文化で親しまれるアーティチョークの葉は、胆汁分泌を促し、脂質バランスを支えるハーブとして利用されています。
濃縮したアーティチョーク葉エキス(ALE)は、食後の消化サポートに加え、脂質や肝機能を整える研究が報告されています。
一方で胆石や胆道閉塞がある場合は逆効果になることがあるため、既往症のある方は医療職と相談してください。
- 主な働き:胆汁分泌促進・血中脂質管理・NAFLDサポート
- 摂るタイミング:食前または食後に320〜640mg、1日2〜3回
- 相性:食物繊維・オメガ3・クルクミンと肝脂質ケアを補完
- 注意:胆石・胆道閉塞・アーティチョークアレルギー(キク科)に注意
- 食品例:蒸したアーティチョーク、ハーブティー(効果はエキスより穏やか)
アーティチョーク葉エキスとは
学名Cynara scolymusの葉から抽出したエキスで、シナリンやルテオリンなどのポリフェノールを含みます。
胆汁分泌を促進し、脂質の消化や肝臓での脂質代謝を助けると考えられています。
からだでの働きと科学的知見
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)患者を対象にしたランダム化二重盲検試験で、アーティチョーク葉エキスが肝酵素(ALT/AST)と脂質指標を改善したと報告されています。PubMed 8件の臨床試験を対象としたシステマティックレビューとメタ解析では、アーティチョーク補給がアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)とアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の濃度を有意に低下させることが明らかになりました。PubMed ランダム化試験のメタ解析でも、アーティチョーク葉エキスやジュースがLDLコレステロール・総コレステロールを有意に低下させることが示されました。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 肝機能(NAFLD) | 中 | ALT/AST・脂質を改善 |
| 血中脂質 | 中 | LDL・総コレステロールを低下 |
| 胆汁分泌 | 低 | メカニズム研究が進行中 |
摂り方とタイミング
標準化エキス(シナリンなどを一定量含む製品)で1回320〜640mgを食前・食後に摂取します。
胃もたれを感じやすい人は食直後、胆汁を促したい人は食前30分が目安です。
ハーブティーでは濃度が穏やかなため、サプリとの併用で味と習慣性を高めると続けやすくなります。
栄養素どうしの関係と注意点
食物繊維(特にβ-グルカン)と併用すると、胆汁酸排泄が促され血中コレステロールの低下がサポートされます。β-グルカンの記事参照。
オメガ3脂肪酸やクルクミンと併用すると、肝臓の脂質代謝と炎症バランスを多面的に整えられます。フィッシュオイルの記事、クルクミンの記事参照。
胆石や胆道疾患の既往がある場合、胆汁分泌が刺激され痛みや閉塞を悪化させる可能性があるため医療職の許可が必要です。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| アーティチョーク×食物繊維 | ◎ | 胆汁酸排泄と脂質改善を補完PubMed |
| アーティチョーク×オメガ3/クルクミン | ○ | 肝脂質代謝を多面的にケアPubMed |
| アーティチョーク×胆石既往 | △ | 胆汁刺激で症状悪化の恐れがあるため医療職に相談 |
食品から摂るには
丸ごとのアーティチョークを蒸して食べると、食物繊維とポリフェノールが摂取できます。
サプリは濃縮エキスなので効果が安定しやすく、第三者検査済みの製品を選ぶと安全です。
キク科アレルギーのある方はアーティチョークでもアレルギー反応が出る可能性があるため注意してください。
