ストレスで気持ちが揺れる夜には、5-HTPという成分が注目されています。
セロトニンとメラトニンづくりを助け、心と眠りのリズムを穏やかに整えます。
抗うつ薬やトリプタンを服用中の方は、相互作用を避けるため医療職へ相談してください。
- 主な働き:セロトニン・メラトニン生成を支える夜のコンディションケア
- 摂るタイミング:夕食後または就寝前に50〜100mgから少量ずつ
- 相性:ビタミンB6・マグネシウム・適度な炭水化物と併用
- 注意:SSRI/SNRI/MAOIなどとの併用でセロトニン症候群リスク
- 食品例:バナナ・豆類などトリプトファン含有食材を基盤に
5-HTPとは
トリプトファンから生まれる中間代謝物で、血液脳関門を通過しセロトニン合成を支えます。
セロトニンは気分や体温、食欲調節に関与し、夜にはメラトニンへ変わり睡眠リズムを整えます。
からだでの働きと科学的知見
5-HTPはセロトニンの補給を通じて、体内時計や睡眠・情緒のリズム調整に関与します。
無作為化試験では気分スコアと食欲行動が調整されたと報告されています。PubMed
高齢者を対象にした最新試験では、睡眠の質と腸内細菌の変化が確認され、入眠と熟睡感の向上が示唆されました。PubMed
5-HTPとトリプトファンに関するCochraneレビューでは、プラセボと比べて有用性が示唆されつつも研究数が限られると指摘されています。PubMed
安全性評価では、高用量や薬との併用でセロトニン症候群のリスクが報告され、低用量からの開始が推奨されます。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 気分・食欲サポート | 低〜中 | セロトニン補給で行動指標が整う |
| 睡眠の質 | 低 | 高齢者で睡眠関連指標が向上傾向 |
| 安全性 | 低 | 薬との併用でセロトニン症候群報告 |
摂り方とタイミング
初めての方は、夕食後に50mgを目安に摂取を開始し、反応を見ながら25〜50mgずつ調整します。
1日2回まで分けて摂り、就寝前の摂取では落ち着いた眠りを後押しします。
日中に眠気が出る場合は夕方のみとし、運転前は避けてください。
トリプトファン代謝にはビタミンB6が必要なため、B群を含む食事を意識すると巡りが整います。
マグネシウムやグリシンなどリラックスを支える素材と合わせるとナイトケアが組み立てやすくなります。
サプリは開封後、湿気と直射日光を避けた冷暗所で保管してください。
栄養素どうしの関係と注意点
マグネシウムやグリシンと組み合わせると、夜のリラックスタイムが整えやすくなります。マグネシウムの記事も参照してください。
適量の炭水化物を摂るとトリプトファンが脳に届きやすく、温かいミルクやオートミールとの相性も良好です。
SSRI・SNRI・MAOIなどと併用するとセロトニン症候群のリスクが高まるため、事前に医師・薬剤師へ確認しましょう。PubMed
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| 5-HTP×ビタミンB6 | ◎ | セロトニン合成を補助 |
| 5-HTP×マグネシウム | ○ | リラックス習慣を後押し |
| 5-HTP×SSRI/SNRI/MAOI | × | セロトニン症候群リスクが高く医療職の管理下でのみ検討PubMed |
食品から摂るには
5-HTPは食品にほとんど含まれず、体内でトリプトファンからつくられます。
大豆、ナッツ、乳製品などを取り入れるとセロトニンづくりの土台が整います。
サプリは乾燥剤入り容器で保管し、色や香りに変化があれば新しいものに切り替えましょう。
