ビタミン

ビタミンK1(フィロキノン)|血液と骨を整える緑の力

野菜不足や骨の衰えが気になる人に向け、ビタミンK1が血液凝固と骨代謝をどのように支えるか、摂り方や注意点を一次情報ベースで解説します。

※ 主な作用: 血液凝固・骨

緑の葉野菜
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摂取基準値
RDA(推奨量)mcg
AI(目安量)150µg
UL(耐容上限量)mcg

日本人の食事摂取基準(2025年版)に基づく。目安量(AI):150µg/日(男女共通、18歳以上)

外食や忙しさで葉物野菜が不足しがちな人に意識してほしい脂溶性ビタミンです。
ビタミンK1は血液の固まり方を整えつつ、骨のカルシウム配分にも関わり土台づくりを助けます。
脂質と一緒に摂り、抗凝固薬を使用している場合は医療職と連携しながら量を調整しましょう。

  • 主な働き:血液凝固因子の活性化と骨代謝サポート
  • 摂るタイミング:昼食のサラダや温野菜を油脂と合わせて
  • 相性:ビタミンDやカルシウムと骨で補完し合う
  • 注意:抗凝固薬との併用は自己判断での増減を避ける
  • 食品例:ケール、ほうれん草、ブロッコリー、海藻

ビタミンK1とは

ビタミンK1(フィロキノン)は葉物野菜や海藻に多い脂溶性ビタミンで、血液凝固に関わるタンパク質の活性化に不可欠です。NIH
日本の食事摂取基準では成人男女ともに150µg/日が目安量となり、日々の食事でこまめに補うことが推奨されています。厚生労働省
脂溶性ながら体内貯蔵は限定的なため、緑の濃い食材を毎日の献立に繰り返し取り入れることが重要です。

からだでの働きと科学的知見

ビタミンK1は肝臓で凝固因子を活性化する補酵素として働き、止血のタイミングを適切に整える役割が報告されています。PubMed外傷が気になるアクティブな日でも、安定した摂取が安心につながります。
骨ではオステオカルシンなどのカルシウム結合タンパク質を活性化し、骨密度を維持するネットワークに関与するとされています。PubMed骨ケアの全体像を把握するにはビタミンDの記事もあわせて参照すると理解が深まります。
葉物野菜に含まれるビタミンK1は脂質の存在で吸収率が高まるため、油を使った調理法が推奨されています。NIH骨・血液・免疫を横断的に整えるため、ビタミンEの記事で抗酸化ネットワークも確認しておくとバランスが取りやすくなります。

研究テーマ エビデンス強度 補足
血液凝固 凝固因子の活性化に不可欠とするレビュー
骨代謝 オステオカルシン活性化を通じ骨密度と関連
吸収と食事 低〜中 脂質と摂ると吸収率が向上

摂り方とタイミング

サラダにオリーブオイルを加えたり、ほうれん草のおひたしにすりごまを合わせるなど油脂をプラスすると吸収が安定します。NIH
1日の目安量150µgは、ほうれん草茹で50g程度を含む献立で比較的到達しやすい設定です。サプリメントを利用する場合も食事の補助範囲に留め、ビタミンDやカルシウムとのバランスを見ながら整えましょう。厚生労働省
昼食でしっかり野菜を摂り、夜は海藻入りの味噌汁や納豆を組み合わせるなど、時間帯を分けて補給すると習慣化が進みます。

栄養素どうしの関係と注意点

骨代謝ではビタミンK1とビタミンDがカルシウム配分を担うため、両方を意識すると骨のリモデリングが整いやすくなります。PubMed
抗凝固薬(ワルファリン等)を使用している場合、急な摂取量変動が薬効に影響することが知られています。PubMed自己判断での大幅な増減は避け、主治医と連携しながら日々の量を安定させましょう。
ビタミンK2との違いは由来と代謝経路にあり、納豆から補えるK2記事も今後参照すると理解が深まります。

組み合わせ 推奨度 コメント
ビタミンK1×ビタミンD 骨でカルシウム利用を補完PubMed
ビタミンK1×カルシウム 骨形成タンパク質を活性化NIH
ビタミンK1×抗凝固薬 摂取量の急変が薬効に影響するため医療職と調整PubMed

食品から摂るには

ケール、ほうれん草、キャベツ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に豊富で、海藻や抹茶にも含まれます。NIH
緑の葉を刻んでスムージーにしたり、ごま油で炒め物にするなど、油脂と組み合わせる調理が効率的です。
買い置きしやすい冷凍野菜や乾燥わかめを活用すると、忙しい日でも安定した摂取が実現します。

よくある質問

Q. 目安量150µgはどの程度の野菜で届きますか?

茹でたほうれん草一椀分(約50g)やブロッコリー小房数個で目安量に近づきます。日々の食事で分散させると一般的に続けやすくなります。厚生労働省

Q. サプリメントを飲むベストタイミングはありますか?

脂溶性のため、昼食や夕食など油脂を含む食事と一緒に摂ると吸収が高まるとされています。NIH

Q. 抗凝固薬を服用中でも野菜は食べて大丈夫ですか?

量を急に変えなければ多くの場合問題ありませんが、自己判断ではなく主治医と相談しながら一定量を保つことが一般的に推奨されています。PubMed

Q. 骨粗鬆症対策で意識すべき栄養素は?

ビタミンK1に加え、ビタミンDとカルシウムをバランスよく補うことが推奨されます。ビタミンDの記事で骨との関係を確認してください。

Q. サラダだけで十分ですか?

生野菜だけだと吸収率が下がりがちなので、油脂を使った温野菜や炒め物を組み合わせると一般的に効率的です。NIH

Q. ビタミンK2も摂るべきですか?

ビタミンK2は動脈や骨での働きが注目されており、納豆などの発酵食品に多く含まれます。K1と合わせて意識することで全体のバランスが整いやすいと考えられています。PubMed

本ページは公開資料や専門書を参考に要約した成分ガイドです。サプリメントを使用する際は医師・薬剤師など専門家の助言もあわせてご確認ください。