忙しい日々で酸化ストレスが気になる人や、甲状腺のバランスを整えたい人に欠かせない微量ミネラルです。
セレンはグルタチオンペルオキシダーゼなどの酵素に組み込まれ、細胞膜を酸化から守りつつ免疫の調整にも関与します。
1日30µg程度を食品からこつこつ補い、サプリ利用時は耐容上限を超えないよう注意しましょう。
- 主な働き:抗酸化酵素の活性と甲状腺ホルモン代謝
- 摂るタイミング:昼食時にタンパク源と合わせて
- 相性:ビタミンEやCと抗酸化ネットワークを補完
- 注意:高用量の継続摂取で爪・髪・神経症状に注意
- 食品例:ブラジルナッツ、魚介、卵、全粒穀物
セレンとは
セレンはアンチオキシダント酵素群やヨードチロニン脱ヨウ素酵素の必須構成成分で、体内で不足すると酸化ストレスが高まります。NIH
日本の推奨量は成人男性30µg、女性25µg、耐容上限は男性450µg、女性350µgとされています。厚生労働省
土壌中の含有量で食品中セレン濃度が変わるため、魚介やナッツなど複数の食品群から分散して摂ると安定します。
からだでの働きと科学的知見
セレン含有酵素グルタチオンペルオキシダーゼは活性酸素を中和し、脂質の酸化ダメージから細胞を保護します。PubMed抗酸化ケアを総合的に行う際はビタミンEの記事も参照してください。
甲状腺ではホルモンの活性化に関わり、自己免疫性甲状腺炎での補給が検討されています。PubMedただし自己判断ではなく医療職と相談しながら量を決定しましょう。
一方、過剰摂取が続くとセレノーシス(爪や髪の脆弱化、神経症状)を招く報告があり、安全域を守ることが極めて重要です。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 抗酸化酵素活性 | 中 | GPx-1を通じ細胞を保護 |
| 甲状腺バランス | 低〜中 | 自己免疫性疾患で補給が検討 |
| 過剰摂取リスク | 中 | セレノーシスの症例報告 |
摂り方とタイミング
昼食の主菜に魚や卵を取り入れ、ブラジルナッツや全粒パンを少量添えると目安量に近づきます。NIH
サプリメントを使う場合は1日50〜100µg程度に留め、他のマルチビタミンとの合算で耐容上限(男性450µg、女性350µg)を超えないよう計算しましょう。
継続利用時は3カ月ごとに血中セレン濃度や甲状腺機能をチェックすると安全管理に役立ちます。
栄養素どうしの関係と注意点
セレンはビタミンEと協調して脂質酸化を抑え、抗酸化ネットワークを構築します。NIH
亜鉛や銅など他の微量ミネラルともバランスを取りながら酵素活性を支えます。高用量の亜鉛サプリによる銅不足は抗酸化能にも影響するため、亜鉛の記事を参考に全体設計を整えましょう。
腎機能に課題がある場合は排泄が遅れ、セレンが蓄積する恐れがあるため、医療職の指導下で調整してください。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| セレン×ビタミンE | ◎ | 脂質酸化を相互に抑制NIH |
| セレン×亜鉛 | ○ | 抗酸化酵素を補完NIH |
| セレン高用量×ブラジルナッツ大量摂取 | △ | セレノーシス報告があるため量に注意PubMed |
食品から摂るには
刺身や焼き魚、エビ・カニ、卵、ブラジルナッツ、全粒パン、椎茸などが主要な供給源です。NIH
ブラジルナッツは産地で含有量が大きく異なるため、1日1粒程度にとどめてほかの食品で補うと過剰を避けられます。
和食ではサーモンの塩麹焼き、洋食ではシーフードのアヒージョなど、油脂と合わせて調理すると風味が引き立ちます。
