抗酸化や血管の健康が気になる人に向けた植物エキスです。ピクノジェノール®は、フランス海岸松(Pinus pinaster Ait.)の樹皮から抽出される標準化エキスで、70%のプロシアニジンを含みます。抗酸化作用、内皮機能への効果、細胞外マトリックスの強化など、多様な生理活性を持つことが研究で示されています。
- 主な働き:抗酸化作用、内皮機能の改善、血管の健康維持
- 摂るタイミング:朝食時に、食事と一緒に
- 相性:ビタミンCやビタミンEと相互に抗酸化を支える
- 注意:妊娠初期3ヶ月は避ける、自己免疫疾患の人は医師に相談
- 食品例:サプリメント形態での摂取が一般的
ピクノジェノールとは
ピクノジェノール®は、フランス海岸松の樹皮から抽出される特許取得済みのエキスで、70%のプロシアニジンを含むように標準化されています。39件の二重盲検プラセボ対照試験(2,009名)で、2週間から6ヶ月の摂取により、心血管の健康、認知機能、関節の健康、皮膚の健康などに有益な効果が示されています。PMC
からだでの働きと科学的知見
ピクノジェノールの主な働きは、抗酸化作用、内皮機能の改善、血管の健康維持の3つに大別されます。
内皮機能への影響
冠動脈疾患患者を対象とした二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験では、ピクノジェノール治療により血流依存性血管拡張反応(FMD)が5.3±2.6から7.0±3.1に改善しました(P<0.0001)。プラセボでは変化が見られませんでした。PubMedこの研究は、ピクノジェノールが酸化ストレスを減少させることで冠動脈疾患患者の内皮機能を改善する最初の証拠を提供しました。
高血圧患者では、ピクノジェノール摂取によりエンドセリン-1濃度が有意に減少し、血漿中の6-ケトプロスタグランジンF1a濃度が有意に増加しました。PubMed
血圧への影響
2018年のメタアナリシスでは、収縮期血圧が-3.22 mmHg、拡張期血圧が-3.11 mmHg減少することが示されました。PubMedただし、2019年のメタアナリシス(7試験、626名)では、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧、脈圧のいずれにも有意な改善は認められませんでした。研究結果は一貫していませんが、一部の研究で血圧への効果が報告されています。
抗酸化メカニズム
ピクノジェノールは、一酸化窒素合成酵素を介して内皮での一酸化窒素(NO)産生を増強します。抗酸化作用、抗炎症作用、内皮機能への有益な効果、細胞外マトリックスへの強化効果が、複数のin vitro、in vivo、臨床研究で示されています。PMC
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 内皮機能の改善 | 中 | 複数の臨床試験で効果報告 |
| 血圧への影響 | 低 | メタアナリシスで結果が一貫せず |
| 抗酸化作用 | 高 | 標準化されたプロシアニジン含有 |
| 安全性 | 高 | GRAS認定、有害事象頻度2.4% |
摂り方とタイミング
臨床研究では、1日100〜200mg程度のピクノジェノールが使用されています。朝食時に食事と一緒に摂取することで、胃腸症状を避けることができます。効果は数週間から数ヶ月の継続使用で観察されることが多いため、継続的な摂取が推奨されます。
栄養素どうしの関係と注意点
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| ビタミンC | ○ | 抗酸化を相互に支える |
| ビタミンE | ○ | 抗酸化を相互に支える |
| 抗凝固薬 | △ | 出血リスク増加の可能性、医師に相談 |
| 免疫抑制剤 | △ | 相互作用の可能性、医師に相談 |
ピクノジェノールは一般的に安全で、GRAS(一般的に安全と認められる)に分類されています。PMC6,849名を対象とした91件の臨床研究では、有害事象の発生頻度は2.4%でした。最も多い副作用は軽度の胃腸症状で、食事と一緒に摂取することで軽減できます。妊娠初期3ヶ月は使用を避け、6歳未満の小児には使用しないでください。自己免疫疾患の人や出血性疾患の人は、使用前に医師に相談してください。
サプリメントとして摂るには
ピクノジェノールは以下の形態で利用されます:
- 標準化カプセル:ピクノジェノール®100mg含有(1日1〜2カプセル)
- 錠剤形態:50〜100mg含有
- 複合サプリメント:ビタミンCやEとの組み合わせ
製品はピクノジェノール®の商標を持つ標準化エキスを選択することが推奨されます。
