肌のハリや老化が気になる人に向けた、哺乳動物の胎盤から抽出される成分です。プラセンタエキスは複数の成長因子（EGF、FGF、TGF-β等）を含み、コラーゲン合成と細胞外マトリックスの維持に関与します。毎日継続して摂り、基本的なスキンケアと合わせて使うのが一般的です。
- 主な働き：成長因子を通じたコラーゲン合成と肌再生の支援
- 摂るタイミング：食事と一緒に、または外用として
- 相性：ビタミンCと合わせるとコラーゲン合成を多角的に支援
- 注意：由来動物の品質管理が重要、アレルギーに注意
- 食品例：サプリメントカプセル、外用美容液、クリーム
プラセンタエキスとは
プラセンタは成長因子、サイトカイン、ホルモン、生理活性ペプチド、酵素、ビタミン、ミネラルの貯蔵庫と考えられています。複数の研究により、豚プラセンタエキスに含まれる成長因子とサイトカインが特定されています。PMC 肌のハリや老化に関心がある人にとって、基本的なスキンケアと生活習慣を整えつつ、この成分を補助として扱うと安心です。
からだでの働きと科学的知見
プラセンタエキスの肌への効果については複数の研究で示されています。牛プラセンタエキスは、マウス皮膚のマトリックスメタロプロテイナーゼ1a（MMP-1a）とマトリックスメタロプロテイナーゼ3（MMP-3）の遺伝子およびたんぱく質発現を減少させ、トランスフォーミング成長因子β（TGF-β）とTIMP-1の発現を増加させ、コラーゲン損傷を減少させコラーゲン合成を増加させて皮膚老化を遅らせます。PMC
成長因子の内容として、線維芽細胞成長因子（FGF）とトランスフォーミング成長因子（TGF）は創傷治癒に関与する2つの主要な因子ファミリーで、豚プラセンタエキスはラット皮膚のFGFとTGFレベルを増加させ、創傷治癒時間を短縮しました。さらに、ヒトプラセンタエキスにはFGF、角化細胞成長因子（KGF）、内皮細胞成長刺激因子が全て存在します。PMC
全てのプラセンタエキスは高量のたんぱく質、成長因子（EGF、FGF、IGF-1、TGF-β1）、アミノ酸を発現しました。EGF、血管内皮成長因子（VEGF）、TGF-βなどの成長因子とサイトカインは、コラーゲン生合成に関与し、肌の若返りを促進すると報告されています。PMC
遺伝子発現への効果として、遺伝子オントロジー解析により、COL1A1、COL5A3、ELN、HAS2などの細胞外マトリックス/構造組織に関連する遺伝子が高度に濃縮され、ヒト皮膚線維芽細胞をヒトプラセンタエキスで処理するとこれらの遺伝子のほとんどが上方調節されました。PMC
臨床研究として、豚プラセンタエキス（PPE）を含む多くの水溶性高分子化合物（たんぱく質と成長因子）を含み、臨床研究では肌の水分増加を含む肌特性の改善が示されました。PMC
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| コラーゲン合成促進 | 中 | 動物・細胞研究で実証 |
| 成長因子含有 | 高 | 複数の成長因子を確認 |
| 肌の水分・ハリ改善 | 中 | 臨床研究で実証 |
摂り方とタイミング
プラセンタエキスは経口摂取と外用の両方で使用されます。経口サプリメントでは100〜300mg/日が一般的で、食事と一緒に継続的に摂取します。 外用製品（美容液、クリーム）は1日1〜2回、清潔な肌に塗布します。効果は数週間〜数か月の継続使用で観察されるため、長期的な使用が推奨されます。
栄養素どうしの関係と注意点
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| ビタミンC | ○ | コラーゲン合成を多角的に支援 |
| 抗酸化物質 | ○ | 酸化ストレスから保護 |
| アレルギー体質 | △ | 動物由来成分、アレルギー注意 |
プラセンタエキスは動物由来成分であるため、アレルギー反応に注意が必要です。品質管理された製品（加熱処理、感染症検査済み）を選ぶことが重要です。
食品から摂るには
プラセンタエキスは以下の形態で利用されます：
- 経口サプリメント：カプセル、ドリンク（100〜300mg/日）
- 外用製品：美容液、クリーム、マスク
- 由来の種類：豚プラセンタ、馬プラセンタ、羊プラセンタ
- 注意点：由来動物の飼育環境と品質管理が重要、加熱処理・感染症検査済み製品を選ぶ
ヒトプラセンタは医療機関でのみ使用可能です。