年齢とともに血管の柔軟性や肌のハリが気になる人に向けた、フランス海岸松の樹皮から抽出される植物由来成分です。松樹皮エキス(ピクノジェノール®)は血管内皮機能と抗酸化ネットワークに関与し、肌の水分保持も助けます。サプリメントは食事と一緒に摂り、継続的な利用で機能維持を助けるのが安心です。
- 主な働き:血管内皮機能のサポートと抗酸化ネットワーク維持
- 摂るタイミング:朝食や昼食と一緒に、毎日継続して
- 相性:ビタミンCやEと合わせると抗酸化作用が補完される
- 注意:血液凝固に影響する可能性があり、抗凝固薬との併用は医師に相談
- 食品例:サプリメントが主な摂取源(食品からの摂取は限定的)
松樹皮エキスとは
松樹皮エキスはフランス海岸松(Pinus pinaster)の樹皮から抽出される植物由来成分で、プロシアニジンとフェノール酸を主成分とします。プロシアニジン含量は70±5%に標準化されており、カテキン、エピカテキン、タキシフォリンなどを含みます。PubMed 血流が気になる中高年や、肌のエイジングケアに関心がある人にとって注目される成分で、食事と生活習慣を整えつつ、この成分を意識すると安心です。
からだでの働きと科学的知見
松樹皮エキスは血管内皮機能の上向きと抗酸化作用に関与することが複数の研究で示されています。健康な人を対象とした研究では、180mg/日の摂取により一酸化窒素産生が増加し、内皮依存性血管拡張の上向きが報告されています。PubMed 高血圧患者への介入では、100mg/日の12週間投与でカルシウム拮抗薬の必要量が減少し、エンドセリン-1濃度が有意に低下しました。PubMed 肌の健康に関しては、12週間の摂取で皮膚水分量と弾力性が向上し、コラーゲンとヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現が増加したとの報告があります。PubMed 高齢者を対象とした研究では、150mg/日の3か月摂取でワーキングメモリに良好な変化があり、酸化ストレスマーカーが低下しました。NIBIOHN
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 血管内皮機能 | 中〜高 | 複数の臨床試験で報告 |
| 抗酸化作用 | 中 | 酸化ストレスマーカー低下(NIBIOHN) |
| 肌の弾力・水分 | 中 | コラーゲン合成遺伝子発現増加 |
| 認知機能 | 低〜中 | 高齢者でワーキングメモリ上向き(NIBIOHN) |
摂り方とタイミング
松樹皮エキスサプリメントは朝食や昼食と一緒に摂ることで、胃腸への負担を抑えつつ吸収を助けます。研究では1日100〜200mg程度が使用されており、12週間以上の継続摂取で変化が観察されています。 少量から始めて様子を見ながら量を調整し、急激な増量は避けましょう。抗酸化ビタミンと併用することで、多角的なサポートが期待できます。
栄養素どうしの関係と注意点
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| ビタミンC・E | ◎ | 抗酸化ネットワークを多角的に支える |
| 抗凝固薬 | △ | 血液凝固に影響する可能性、医師に相談 |
| 抗血小板薬 | △ | 出血リスク増加の可能性、併用注意 |
松樹皮エキスは一般的に安全とされますが、血液凝固に影響を与える可能性があります。抗凝固薬や抗血小板薬を使用中の人は医師に相談してください。妊娠中・授乳中の使用も事前確認が推奨されます。
食品から摂るには
松樹皮エキスは食品からの摂取が限定的であり、サプリメントが主な摂取源となります。一般的な食事では以下の植物由来抗酸化成分を摂取できます:
- フラボノイド豊富な食品:ブドウ、ベリー類、緑茶、ダークチョコレート
- プロシアニジン含有食品:りんご、赤ワイン(適量)、クランベリー
- 調理のポイント:生食や短時間加熱で抗酸化成分を保持
ただし、研究で使用された量を食事だけで満たすのは困難です。
