抗酸化や肌の健康が気になる人に向けた、グルタチオン合成の前駆体となるアミノ酸です。L-システインは体内で強力な抗酸化物質グルタチオンの材料となり、メラニン産生の調節にも関与します。毎日継続して摂り、バランスの良い食事と合わせて使うのが一般的です。

• 主な働き：グルタチオン合成支援と抗酸化ネットワークの維持
• 摂るタイミング：食事と一緒に、毎日継続して
• 相性：ビタミンCと合わせると相乗効果の可能性
• 注意：高用量は尿路結石リスク、バランスが重要
• 食品例：肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品

L-システインとは

L-システイン（L-Cysteine）はグルタチオン（GSH）合成の前駆体として機能するアミノ酸です。GSHはシステイン、グリシン、グルタミン酸から構成され、主要な抗酸化物質として機能します。PubMedL-システインはグルタミン酸システインリガーゼ（GCLC）の酵素作用によりGSHを形成します。PMC 抗酸化や肌の健康に関心がある人にとって、生活習慣を整えつつ、この成分を意識すると安心です。

からだでの働きと科学的知見

L-システインの抗酸化作用については複数の研究で実証されています。GSHの還元型は酸化ストレスによる損傷に対する生体の防御において基本的な役割を果たします。グルタチオンは細胞内レドックスバランスを維持する重要な成分であり、様々なメカニズムを通じて細胞のメラニン産生を調節します。PubMed

肌への効果として、アジア人女性に対して12週間、1日500mgのL-シスチンと250mgのL-グルタチオンを経口投与した研究では、安全に肌を明るくし、顔の黒い斑点のサイズを減少させる効果的な治療でした。PubMed

紫外線保護として、LCC（リジンカルボキシメチルシステイネート）は青色光誘発性酸化ストレスから角化細胞を保護し、色素沈着型生体皮膚等価物（pLSE）モデルでUVB誘発性バリア破壊と色素沈着を防ぐ保護効果を示しました。PMCGSHはUV曝露後に表皮細胞で生成されるROSを除去し、ROS誘発性メラニン生成を防ぐ能力を持ちます。PMC

健康効果として、L-システインの薬剤や栄養補助食品としての使用に関して、抗酸化力、粘液溶解機能の調節、毛髪の強化、免疫システム機能の改善、肝臓の保護と解毒などの利点が報告されています。PMC

研究テーマ	エビデンス強度	補足
グルタチオン前駆体	高	生化学的経路確立
肌色調節	中	12週間で効果
抗酸化作用	高	GSHを通じた作用

摂り方とタイミング

L-システインは食事と一緒に継続的に摂取します。研究では500〜1,500mg/日が使用されており、肌の健康目的では500mg/日程度が一般的です。 グルタチオンと組み合わせた製品（L-シスチン500mg + L-グルタチオン250mg）も研究で使用されています。バランスの良い食事と併用することが推奨されます。

栄養素どうしの関係と注意点

組み合わせ	推奨度	コメント
グルタチオン	○	相乗効果の可能性
ビタミンC	○	抗酸化ネットワーク強化
高用量単独摂取	△	尿路結石リスク、バランス重視

L-システインの高用量単独摂取は尿路結石のリスクを高める可能性があります。適切な水分摂取とバランスの良い食事との併用が推奨されます。

食品から摂るには

L-システインは以下の食品に多く含まれます（100gあたり）：

• 動物性：鶏むね肉（約300mg）、豚肉（約340mg）、卵（約230mg）、サケ（約220mg）
• 植物性：大豆製品（約300mg）、ひまわりの種（約450mg）、オートミール（約160mg）
• 乳製品：チーズ（約180mg）、ヨーグルト（約70mg）

通常の食事（たんぱく質1.0〜1.5g/kg/日）で一定量を摂取できます。