体重やおなかの周りが気になり始めた人に注目される植物由来の成分です。 葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)は内臓脂肪の減少を助け、BMI改善に関与することが報告されています。 日常の身体活動と組み合わせて、食前の摂取が一般的にすすめられます。
- 主な働き:内臓脂肪の減少サポート、BMI低下に関与
- 摂るタイミング:食前、1日あたり22〜42mg(テクトリゲニン類として)
- 相性:日常的な運動や食事管理と併用
- 注意:過剰摂取は避け、推奨量を守る
- 食品例:機能性表示食品として製品化されている
葛の花由来イソフラボンとは
葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)は、葛(Pueraria thomsonii)の花から抽出される植物性ポリフェノールです。日本では古くから葛粉として親しまれてきた植物ですが、その花に含まれるイソフラボンが体重管理や内臓脂肪の減少に関与することが近年の研究で示されています。
機能性表示食品の制度において、この成分は「体重やおなかの脂肪(内臓脂肪・皮下脂肪)を減らすのを助ける」旨が届出されています。BMI25以上の肥満傾向にある日本人を対象とした臨床試験で、12週間の摂取により内臓脂肪面積の減少とBMIの低下が確認されました。PubMed
体重管理や健康的な体型維持に関心がある人にとって、日常の食事や運動習慣と合わせて取り入れやすい成分と考えられています。
からだでの働きと科学的知見
葛の花由来イソフラボンには、エネルギー消費の増加と脂肪分解の促進に関与する可能性が報告されています。
内臓脂肪減少とBMI改善
81名の肥満傾向にある日本人成人(BMI≥25 kg/m²)を対象とした無作為化プラセボ対照試験では、葛の花エキス(300mgまたは200mg)を12週間摂取したグループで、内臓脂肪面積の有意な減少とBMIの低下が確認されました。一方、皮下脂肪面積には有意な変化は見られず、内臓脂肪に対して選択的な作用が示唆されています。PubMed
エネルギー消費と脂肪燃焼
高脂肪食を与えたマウスを用いた研究では、葛の花エキスのイソフラボン豊富画分が酸素消費量を増加させ、褐色脂肪組織(BAT)のUCP1発現を高めることが報告されています。UCP1は熱産生とエネルギー消費に関わるタンパク質であり、この発見は葛の花由来イソフラボンが脂肪燃焼を促進する可能性を示唆します。PMC
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 内臓脂肪減少 | 中〜高 | 日本人対象のRCTで確認PubMed |
| BMI低下 | 中 | 12週間摂取で有意な減少PubMed |
| エネルギー消費増加 | 中 | 動物実験で酸素消費増加を確認PMC |
摂り方とタイミング
葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)の推奨量は、機能性表示食品の届出内容に基づき、1日あたり22〜42mg程度とされています。食前の摂取が一般的に推奨され、継続的な摂取と日常的な身体活動の組み合わせが効果的と考えられています。
体重管理や内臓脂肪の減少は短期間で実現するものではなく、少なくとも12週間程度の継続摂取が臨床試験でも採用されています。食事管理や適度な運動と併せて、毎日の習慣として取り入れることが推奨されます。
過剰摂取は避け、製品の表示に従った適切な量を守ることが安全性の観点から重要です。
栄養素どうしの関係と注意点
葛の花由来イソフラボンは単独での効果が期待される成分ですが、他の栄養素や生活習慣との組み合わせで相乗効果が期待できます。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| 日常的な運動 | ◎ | 脂肪燃焼促進との相乗効果が期待される |
| バランスの取れた食事 | ◎ | 体重管理の基本として重要 |
| カフェイン | △ | 脂肪分解促進の可能性があるが、個人差が大きい |
注意点として、イソフラボンは植物性エストロゲン様作用を持つため、ホルモン感受性の健康状態がある方は医師に相談することが推奨されます。また、過剰摂取は避け、製品の推奨量を守ることが安全性の観点から重要です。
食品から摂るには
葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)は、葛の花から抽出される成分であり、通常の食事から十分な量を摂取することは困難です。伝統的に日本で使用されてきた葛粉は葛の根から作られるため、花由来のイソフラボンはほとんど含まれていません。
そのため、この成分を摂取する場合は機能性表示食品として届出された製品を利用することが一般的です。サプリメントや飲料タイプの製品が販売されており、推奨量が明確に表示されています。
