肌の乾燥やかゆみ、月経前の不快感が気になる人に向けた、月見草の種子から抽出される植物由来オイルです。月見草油はGLA(ガンマリノレン酸)を豊富に含み、肌のバリア機能維持と炎症調節に関与します。サプリメントは食事と一緒に摂り、継続的な利用で機能維持を助けるのが安心です。
- 主な働き:肌のバリア機能維持と炎症調節のサポート
- 摂るタイミング:朝夕の食事と一緒に、毎日継続して
- 相性:ビタミンEと合わせると酸化安定性が向上
- 注意:出血リスクのある人や抗凝固薬使用中は医師に相談
- 食品例:サプリメントが主な摂取源(食品からの摂取は限定的)
月見草油とは
月見草油(イブニングプリムローズオイル)はOenothera biennisの種子から抽出され、GLA(ガンマリノレン酸)を7〜10%含むオメガ6脂肪酸です。GLAは体内でジホモ-γ-リノレン酸(DGLA)を経て、抗炎症作用を持つプロスタグランジンE1に変換されます。NCCIH 肌の乾燥やアトピー性皮膚炎、月経前症候群に関心がある人に広く利用されており、食事と生活習慣を整えつつ、この成分を意識すると安心です。
からだでの働きと科学的知見
月見草油は肌の生物物理学的パラメータの上向きに関与することが研究で示されています。12週間の摂取により、皮膚水分量が12.9%、経皮水分蒸散量が7.7%、弾力性が4.7%、硬さが16.7%、疲労抵抗性が14.2%、粗さが21.7%で良好な変化を示したと報告されています。PubMed アトピー性皮膚炎患者では、血漿GLA濃度の上昇が臨床症状の上向きと相関し、EASIスコアが有意に低下しました。(PubMed、PMC) 女性の健康における月見草油のレビューでは、月経前症候群や更年期症状への応用が評価されていますが、反応には個人差があり、さらなる研究が必要とされています。PubMed 糖尿病性神経障害モデルでは、神経伝導と血流の上向きが観察され、血管作用を介したメカニズムが示唆されています。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 肌の水分・弾力性 | 中 | 12週間で複数パラメータ上向き |
| アトピー性皮膚炎 | 中 | GLA濃度と症状上向きが相関 |
| 糖尿病性神経障害 | 低〜中 | 動物実験で神経機能の上向き |
摂り方とタイミング
月見草油サプリメントは朝夕の食事と一緒に摂ることで、脂溶性成分の吸収を助け、胃腸への負担を抑えます。研究では1日2〜3g程度(GLA換算で約200〜300mg)が使用されており、12週間以上の継続摂取で変化が観察されています。 少量から始めて様子を見ながら量を調整し、急激な増量は避けましょう。ビタミンEと併用することで、GLA酸化を抑制できます。
栄養素どうしの関係と注意点
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| ビタミンE | ◎ | GLA酸化を抑制し安定性向上 |
| 抗凝固薬 | △ | 出血リスク増加の可能性、医師に相談 |
| 抗てんかん薬 | △ | 相互作用の報告あり、併用注意 |
月見草油は一般的に安全とされますが、出血傾向や抗凝固薬使用中の人は医師に相談してください。妊娠中・授乳中の使用は安全性が確認されており、母乳中のGLA濃度が上昇しますが、乳児への有害作用は報告されていません。NCBI Bookshelf
食品から摂るには
月見草油は食品からの摂取が限定的であり、サプリメントが主な摂取源となります。GLAを含む他の食品として:
- ボリジオイル:GLA含量20〜25%と高い
- 黒スグリ油:GLA含量15〜20%
- ヘンプシードオイル:GLA含量2〜4%
- 調理のポイント:加熱すると酸化しやすいため、非加熱で使用
ただし、研究で使用された量を食事だけで満たすのは困難です。
