繰り返す尿路感染症や膀胱炎で悩む人に向けた、北米原産のツツジ科果実です。クランベリーはプロアントシアニジン(PAC)を含み、細菌の尿路上皮への付着抑制に関与します。サプリメントや果汁は毎日継続して摂り、再発リスクの軽減を助けるのが一般的です。
- 主な働き:尿路感染症の再発リスク軽減サポート
- 摂るタイミング:朝または就寝前に、毎日継続して
- 相性:水分摂取と併用で尿路健康をより効果的に
- 注意:ワルファリン使用中は相互作用の可能性、腎結石リスクに配慮
- 食品例:クランベリージュース、ドライクランベリー、サプリメント
クランベリーとは
クランベリー(Vaccinium macrocarpon)は北米原産の小さな赤い果実で、プロアントシアニジン(PAC)と呼ばれる特有のポリフェノールを含みます。PACsはp線毛を持つ大腸菌が膀胱内壁の尿路上皮細胞に付着するのを抑制する作用があります。PubMed 尿路感染症を繰り返す人にとって、食事と生活習慣を整えつつ、この成分を意識すると安心です。
からだでの働きと科学的知見
クランベリーは尿路感染症の再発リスク軽減に関与することが複数の研究で示されています。2023年のコクランレビュー(50研究、8,857人)では、再発性UTIを持つ女性、小児、UTI易感染性の人において、クランベリー製品が症状性・培養陽性UTIのリスクを減少させることが支持されました。PubMed 2017年のメタアナリシスでは、クランベリーがUTIリスクを26%減少させたと報告されています(リスク比:0.74)。PubMed 2025年の最新研究では、全果実粉末カプセルの摂取により、再発性UTI歴を持つ健康女性において培養確認UTIの発生率が有意に減少しました。PubMed 2021年のメタアナリシス(23試験、3,979人)では、クランベリー製品の摂取が易感染性集団においてUTI発生率を30%減少させました(リスク比:0.70)。PMC
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| UTI再発予防 | 中〜高 | 複数のメタアナリシスで実証 |
| 細菌付着抑制 | 中 | PACs がメカニズム |
| 治療効果 | 低 | 予防が主、治療効果は限定的 |
摂り方とタイミング
クランベリーサプリメントは朝または就寝前に摂ることで、尿路での効果を持続させます。研究では全果実粉末カプセル(500mg/日程度)やジュース(240〜480mL/日)が使用されており、6〜12か月の継続摂取で効果が観察されています。 PAC含量が標準化された製品を選ぶことが重要で、少なくとも36mg PAC/日が推奨されます。水分を十分に摂取することで、相乗効果が期待できます。
栄養素どうしの関係と注意点
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| 水分摂取 | ◎ | 尿量増加で細菌排出を促進 |
| ワルファリン | △ | 相互作用の可能性、医師に相談 |
| 高シュウ酸尿症 | △ | 腎結石リスク増加の懸念、摂取量に注意 |
クランベリーは一般的に安全とされますが、ワルファリン使用中の人は相互作用により出血リスクが増加する可能性があります。また、高用量では腎結石(シュウ酸カルシウム結石)のリスクが指摘されています。
食品から摂るには
クランベリーは以下の形態で利用されます:
- 100%ジュース:無糖または低糖タイプが推奨(240〜480mL/日)
- 全果実粉末カプセル:標準化されたPAC含有製品
- ドライクランベリー:砂糖添加が多いため適量に
- 注意点:ジュースカクテルは糖分が多く、毎日の摂取には不向き
研究では全果実粉末カプセルが最も効果的とされています。PubMed
