年齢とともに活力の低下が気になり始めた人に注目される植物由来の成分です。 黒マカエキスは、ペルー原産の根菜マカの中でも黒色の品種から抽出されたエキスで、男性機能や活力との関連で複数の臨床研究が行われています。 食事と一緒に朝食時に摂取することが一般的にすすめられます。

• 主な働き：男性機能サポート、活力維持、精子の質との関連
• 摂るタイミング：朝食時、1日あたり500〜1000mg（エキス換算）
• 相性：バランスの取れた食事と適度な運動と併用
• 注意：推奨量を守り、過剰摂取を避ける
• 食品例：エキス製品として提供されている

黒マカエキスとは

黒マカは、ペルー原産の根菜Lepidium meyenii（マカ）の品種の一つで、黒色の外皮を持つものを指します。マカには黄色、赤色、黒色などの品種があり、それぞれ異なる成分プロファイルを持つことが知られています。黒マカは特に男性機能との関連で注目されており、精子の質や性機能に関する研究が行われています。

マカは標高4,000メートル以上のペルー高地で栽培される植物で、伝統的に滋養強壮の食材として利用されてきました。現代では、乾燥粉末やエキス製品としてサプリメントに加工されています。

臨床研究では500〜3,000mg程度のエキス換算量が用いられていますが、製品によって成分の標準化や抽出方法が異なるため、効果も製品ごとに異なる可能性があります。

からだでの働きと科学的知見

黒マカエキスは、性機能や精子の質との関連で複数の臨床研究が行われています。

性機能との関連

50名の軽度勃起不全を持つ成人男性を対象とした無作為化二重盲検試験では、マカを摂取したグループで性機能スコアがプラセボ群と比較して有意に高い増加を示しました（1.6 ± 1.1 対 0.5 ± 0.6, P < 0.001）。PubMed

また、健康な成人男性を対象とした研究では、マカの摂取開始から8週間後に性欲の増加が観察されたと報告されています。この研究では、血中テストステロン値との直接的な関連は見られず、マカの作用は単純なホルモン補充とは異なるメカニズムが示唆されています。PubMed

精子の質への関与

黒マカは、赤マカや黄マカと比較して、精子数の増加により優れた関与を示す可能性が研究されています。健康な成人男性に対して12週間マカを投与した研究では、精子濃度と運動性の増加傾向が確認されました。

研究の限界

マカの性機能への有用性に関するシステマティックレビューでは、限定的なエビデンスが示されており、試験数と総サンプルサイズが不十分であるため、確定的な結論を導くことは難しいとされています。PubMed

研究テーマ	エビデンス強度	補足
性機能サポート	中	軽度ED患者で有意な関与を確認PubMed
性欲の増加	中	8週間後に観察、テストステロン非依存的PubMed
精子の質	低〜中	精子数・運動性への関与が示唆されている
全体的評価	低〜中	エビデンスは限定的PubMed

摂り方とタイミング

黒マカエキスの推奨量は、臨床研究で使用された量に基づき、1日あたり500〜1000mg（エキス換算）程度とされています。製品によって推奨量が異なるため、製品の表示に従うことが重要です。

食事と一緒に朝食時に摂取することが一般的にすすめられ、継続的な摂取と適度な運動、バランスの取れた食事との組み合わせが推奨されます。

臨床研究では8〜12週間程度の期間で評価されており、即効性を期待するよりも、継続的な使用で緩やかな変化を見守る姿勢が適切です。

栄養素どうしの関係と注意点

黒マカエキスは他の栄養素や生活習慣との組み合わせで相乗効果が期待できます。

組み合わせ	推奨度	コメント
バランスの取れた食事	◎	活力維持の基本として重要
適度な運動	◎	血流維持や全身の健康に関与
亜鉛	○	男性機能サポートとの相乗効果が期待される
アルギニン	○	血流サポートとの関連で研究されている

注意点として、マカは一般的には安全性が高いとされていますが、甲状腺疾患がある方はヨウ素含有量に注意が必要な場合があります。また、過剰摂取は避け、製品の推奨量を守ることが安全性の観点から重要です。

食品から摂るには

黒マカは、ペルー原産の特定品種であり、日本の通常の食事から摂取することはできません。この成分を摂取する場合は、黒マカを含むサプリメントを利用することが一般的です。

製品には乾燥粉末タイプとエキス濃縮タイプがあり、エキスタイプのほうが少量で高濃度の成分を摂取できます。信頼できるメーカーの製品を選び、製品の表示や推奨量に従うことが重要です。