北米のラーチ(カラマツ)から抽出されるアラビノガラクタンは、水溶性食物繊維として腸内細菌のエサになり、免疫細胞の働きをサポートします。
風邪シーズンの予防目的で研究されており、上気道感染の発症回数を減らした報告があります。
味や匂いがほとんどないため、毎朝の飲み物やスープに混ぜて継続しやすいプレバイオティクスです。
- 主な働き:プレバイオティク効果、免疫調整、短鎖脂肪酸産生サポート
- 摂るタイミング:1日4.5〜9gを水やスムージーに混ぜて食前または食中
- 相性:プロバイオティクス・β-グルカン・ビタミンCと感染対策を多面的に補完
- 注意:多量摂取でガス・膨満感が出る場合は減量、薬との摂取時間をずらす
- 食品例:パウダーをヨーグルト、オートミール、味噌汁に混ぜて活用
アラビノガラクタンとは
非デンプン系多糖で、耐酸性かつ水に溶けやすいのが特徴です。腸内で善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生して腸粘膜や免疫を支えます。
からだでの働きと科学的知見
健康成人を対象にしたランダム化二重盲検試験で、ラーチ由来アラビノガラクタンが上気道感染の発症率を低下させました。PubMed レビューでも免疫調整機構や臨床試験の結果がまとめられており、マクロファージ活性やNK細胞の働きを補助する可能性が示されています。PubMed Moringa由来アラビノガラクタンが腸管関連リンパ組織を活性化し、免疫調整に寄与する機序が家畜栄養研究で報告されています。PubMed多糖類の免疫防御における役割を包括的にまとめたレビューでは、免疫刺激性多糖類が分子認識を通じて免疫応答を誘導することが示されています。PubMed ペクチンオリゴ糖の生物活性を評価したレビューでは、プレバイオティック・抗糖化・抗酸化・脂質代謝調節活性が分子構造と関連していると報告されています。PubMed植物由来多糖類とプレバイオティックポテンシャルを評価したレビューでは、アラビノガラクタン型多糖の分子ドッキング解析により腸内細菌の酵素分解機構が同定されています。PubMed
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 上気道感染予防 | 低〜中 | ランダム化試験で発症率が低下 |
| 免疫調整作用 | 低 | 臨床・機序研究をまとめたレビュー |
| 腸内細菌への作用 | 低 | プレバイオティク効果が報告 |
摂り方とタイミング
粉末タイプを使用する場合、1日4.5g程度から始め、胃腸が慣れていれば9gまで増やせます。
水、スムージー、ヨーグルト、スープに混ぜても味がほぼ変わりません。
腸が敏感な方は朝夕2回に分け、十分な水分と一緒に摂るとガスが出にくくなります。
栄養素どうしの関係と注意点
プロバイオティクスと併用すると、腸内細菌がアラビノガラクタンを発酵して短鎖脂肪酸を産生しやすくなります。プロバイオティクス10株の記事参照。
β-グルカンやビタミンCと組み合わせると、季節性のコンディションを多方面から支えられます。β-グルカンの記事、ビタミンCの記事参照。
薬の吸収を遅らせる可能性があるため、服薬前後1〜2時間は摂取を控えてください。
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| アラビノガラクタン×プロバイオティクス | ◎ | SCFA産生と免疫サポートを強化PubMed |
| アラビノガラクタン×β-グルカン | ○ | 季節性の体調管理を多角的に支える |
| アラビノガラクタン×服薬直後 | △ | 薬の吸収を妨げないよう時間をずらす |
食品から摂るには
パウダーを朝のヨーグルトやオートミールにふりかける、味噌汁やスープに溶かすなど、温冷問わず使えます。
水に溶けやすいため、シェイカーでプロテインやスムージーに混ぜても違和感が少ないのが特徴です。
湿気で固まらないよう乾燥剤とともに密閉容器で保管してください。
