年齢を重ねると記憶力や集中力が気になる人に向けた、魚や鳥の筋肉に多く含まれるアミノ酸の一種です。アンセリンは抗酸化ネットワークと認知機能維持に関与し、運動パフォーマンスも助けます。サプリメントは食事と一緒に摂り、継続的な利用で機能維持を助けるのが安心です。
- 主な働き:認知機能維持と抗酸化ネットワークのサポート
- 摂るタイミング:朝食や昼食と一緒に、毎日継続して
- 相性:カルノシンと合わせると補完関係が期待できる
- 注意:過剰摂取を避け、推奨量を守る
- 食品例:マグロ、カツオ、鶏むね肉
アンセリンとは
アンセリンはβ-アラニンとメチル化されたヒスチジンから成るジペプチドで、魚類や鳥類の筋肉に豊富に含まれます。ヒトの体内では主に筋肉組織に存在し、運動時のpH緩衝や抗酸化作用に関与します。物忘れが気になる高齢者や、運動後の回復を早めたいアスリートにとって関心の高い成分です。PubMed 年齢とともに筋肉や脳の機能維持が課題となる中、食事と生活習慣を整えつつ、この成分を意識すると安心です。
からだでの働きと科学的知見
アンセリンは脳血流の維持と認知機能の保護に関与することが複数の研究で示されています。高齢者を対象とした研究では、アンセリン750mgとカルノシン250mgの12週間投与により、前頭前野の血流が保たれ、言語記憶の遅延再生が改善されたと報告されています。PMC また、軽度認知障害を持つAPOE4陽性者に対する介入では、全般的認知機能スコアの向上が観察されました。PubMed アンセリンとグルコサミンの併用補給は、関節リウマチモデルにおいて炎症マーカーのレベルを減弱させ、抗酸化作用と抗炎症作用を発揮することが動物実験で示されています。PMC システマティックレビューでは、1日1gのカルノシン・アンセリン摂取が12週間で認知機能改善に寄与する可能性が示されています。PMC
| 研究テーマ | エビデンス強度 | 補足 |
|---|---|---|
| 認知機能維持 | 中 | APOE4保有者で効果報告 |
| 脳血流保護 | 中 | 高齢者で前頭前野血流維持 |
| 運動パフォーマンス | 低〜中 | 短時間反復運動で報告あり |
摂り方とタイミング
アンセリンサプリメントは朝食や昼食と一緒に摂ることで、胃腸への負担を抑えつつ吸収を助けます。研究では1日500〜1,000mg程度(カルノシンと合わせて)が使用されており、12週間以上の継続摂取で効果が観察されています。 少量から始めて様子を見ながら量を調整し、急激な増量は避けましょう。食事からの摂取も併用することで、バランスの良い補給が期待できます。
栄養素どうしの関係と注意点
| 組み合わせ | 推奨度 | コメント |
|---|---|---|
| カルノシン | ◎ | 抗酸化と認知機能で補完関係 |
| ビタミンC・E | ○ | 抗酸化ネットワークを多角的に支える |
| 高用量長期摂取 | △ | 安全性データが限定的、推奨量を守る |
アンセリンは一般的に安全とされますが、高用量での長期安全性データは限られています。妊娠中・授乳中の使用は医師に相談し、持病がある場合も事前確認が推奨されます。
食品から摂るには
アンセリンは以下の食品に多く含まれます:
- 魚類:マグロ、カツオ、サケ(特に赤身の魚)
- 鳥類:鶏むね肉、鶏ささみ
- 調理のポイント:加熱しても比較的安定、煮汁にも溶出するためスープや煮物で丸ごと摂取
刺身や焼き魚、蒸し鶏などで日常的に摂取できます。
